2012年6月24日日曜日

集中力

たった今、集中力に関するこの記事、を読んだ。

注目なのは、

「集中力が途切れてしまうと、再び集中するのに25分かかり、そのたびに脳に負荷がかかる」

という研究結果

人間の集中を阻害する要因とは、

「目立つ色/明るい光を見た時」と「大きな音を聞いた時」の2つなのだそう。


つまり、Outlookのポップアップとか、


「金森さんちょっといいですか?」といった声をかけられるだけで、


僕の頭が疲れてきて、しかも仕事効率が悪くなる。

これは大問題なのです。


Outlookの方はなんとかできそう。

朝のうちにスケジュールをチェックし、

メールは特定のタイミングでしか返信しない、とか。

声をかけられるのはしょうがないような気がするな。

"Please do not disturb"ってできるのは、

ホテルの部屋くらいな物だろうか。

(僕の自宅の部屋のドアには、モナコのホテルの"Do not disturb"のサインが掛けてある)

当然、困ってる人がいて、僕が助けられるなら、助けてあげたいと思う。

(職場の方は、このブログをご覧になっていたとしても、普通に声かけてくださいね。)


それにしても、"Multi-tasking"ってなかなか幻想的なのは色んな研究で明らかになってるし、

仕事のやり方を根本的に考えなおさなければならないな、と感じてしまう。


やっぱり、科学の研究結果を取り入れて、

ワークスタイルをデザインしていかなければならいな、

と改めて感じる。


ついでに言うと、日本の色んな広告は有害以外の何物でもない。

テレビもCMがあるから、相当に集中力を奪う。

だから日本って生きづらいのかな、と思う。

ただ自社製品が宣伝されるだけならいいのだが、

相手の集中力をいちいち奪ってる事も考えて欲しいものだ。

だから、頭いい人ほどテレビを見なくなるのかな。笑

ルールを破る事

ルール、という物は世の中にたくさんある。

明記されてるルールもあれば、

不文律、みたいなルールもある。

「人を殺してはいけない」のような、

まず間違いなく抵触しないようなルールはいい。

でも、例えば「休日は仕事をするべきではない」

のような、考えても分かりにくいようなルールがある。

そんなルールがある時に、

「そのルールを一度破ってみる」

というのが、実はルールの存在意義を確かめる良い方法だと思う。


この金曜日にやったのは、

会社にめっちゃ私服で行く事。

会社で定めるルールは「ジーンズ以外OK」なのに、


半分くらいがスーツ、それ以外でも皆Yシャツ。

ある程度の服装をして来い、という不文律がある。

という訳で、ルールで定められてるジーンズを避けて、

でも、ギリギリまで攻める、という意味でジーンズの型で作られた綿製のパンツを着用。

Poloのマークがどデカく入ったポロシャツに、スニーカーを履いて出社。

一日中、「今日はすごいカジュアルですね」と言われ続けてみた結果、

一緒に仕事をする人たちの反応を促してしまう、という意味で


ある程度のフォーマルの服装をするのは大事だ、


という事を感じました。


一方、無意味なルールもたくさんあって、

そういうのはどんどん破っちゃっていいと思う。

たとえば、「空気を読んで二次会に参加しろ」という、仲間内のルールから、

「朝起きたらまず顔を洗う」といった自分のルールまで。

どんどんChangeを起こしていって、

try & errorで学べばいいんだと思う。


だから、ルールをきちんと守る人は、

「いい子ちゃん」であっても、

成長量が遅いんだと思う。

昔の僕みたいに、授業は全て出席し、テストは全てAを目指し、

といった優等生キャラになってしまう。(勉強も知識も超が付くほど大事だけど)

これからの僕は、どんどんtry & errorをして伸びていきたい。

ただ、Financeという職場ではクリエイティブティーは限定されてる気がする。

「僕のCreativityによると、会社の利益は○○円です!」

とかやったらクビだしね。笑

でも、できる範囲内でやっていきたいと思う。


だから、「今までの方法で慣れてるから、そのままにしてくれよー」

という人には迷惑をかける。

文句言われたら謝るけど、多分、改めないだろうな。




逆に何か既存のルールで盲点になってる事を開放できたら、


僕には世の中を変えるチャンスがある。

常に色んな事に食ってかからないと、それは起こらない。

きっと、こんなヤツと仕事やるのって、

スーパー面倒くさいんだろうな、


と思うんだけど、でも、このまま、壁にぶち当たるまでは突き進もうと思う。

2012年6月16日土曜日

ITの威力:ジャズ入門

最近、ジャズがマイブーム。

もともと、ピアノはずっとクラシックだったのだけど、

最近、急にジャズをやりたくなり、本を買ったり、有名な演奏を聞いたりしてる。


そこで凄いな、と思ったのはYoutubeの威力。

こんな入門書を元に、有名なCD/演奏者を調べる。

そしてそれを元に、ウェブで調べれば、大体の物は聞けるようになってる。

そこで、多くの演奏の中から、自分の好みをマッピングしていく。

ついでに有名な曲は楽譜も調べればどこかしらに載ってるから、なんとなく覚えていく。

そうすると、数時間あれば、おおよその全体像が分かってくる。


例えば、トランペットといえばMiles Davisだよねとか、

Bud Powellはピアノトリオの形式を作った偉大なピアニストなんだとか、

まずジャズでは常識の情報が頭の中に入っていく。

その演奏者の中で、僕はこの辺りが好きだなーといのが分かってくる。

僕の感性が反応するのはこの辺り:

Softly as in a morning sunrise -Sonny Rollins

Midnight Blue - Kenny Burrell

Cleopatra's Dream - Bud Powell (下)




とりあえず有名どころに触れてみて、

その中であれは好き、これは嫌い、とやっていけば、

それなりに話ができるようになる。

そうすれば、色んな人と話しながら、だんだん世界が広がっていく。

ジャズ詳しい方、是非、オススメを紹介してくださいね!



さて、ちょっと趣味に入りすぎてしまったかも。ここからが本題です。笑

今回、ジャズ入門しようとしてみて感じたのは、

ちょっとカジッてみるために必要な物は

  • ネット環境(主にYoutube)
  • 1万円くらいの原資(入門書や楽譜・CDなど)
  • 10時間くらいの時間
があれば、簡単に勉強ができる、という事。

決して高いハードルじゃない。



特に、ネットの力は凄くて、
  1. ピアニストではBill Evansが有名らしいと本に書いてある。
  2. Webで検索すると、Youtubeが出てくるので、再生回数が高い物をいくつか聞いてみる。
  3. ついでにWikipediaを調べると、演奏者の背景がちょっと分かる。
  4. Youtubeの右側のリンクを辿って、何曲か聞いてみる。
そして、

"Bill Evansは良いけど、大当たりではないかな。"と感想をどこかにメモっていき、

"次は、Herbie Hancockって書いてあるぞ、どんな演奏だろう?"

と本の次のページを進んでいく。

ついでに、"Cantalope Island"という曲がたくさんヒットするのに気づけば、

Herbie Hancockがこの有名な曲の作曲者である事が分かる。

コード進行は、と気になれば…(以下略)


こんな感じで毎日一時間、一週間もやれば、あっという間に有名な演奏が頭に入る。

一昔前はきっと

例えば中古CD屋さんのオーナーと知り合いになりながら、

少しずつ教えてもらったりしてたんだろうなーと考えると、

凄い事だと思う。


~~~~~~~~~~

ウェブの時代になってから、知識には誰もがアクセスできるようになったのは確実。

でも、だから知識の価値が下がってる、とはならないのかな、と思う。


むしろ、逆で、一人の人間が持ってる知識が生かされる可能性が上がってる気がする。

好奇心旺盛な人とそうじゃない人、

頭が良い人とそうじゃない人との差を広げてる気がする。

今週の僕みたいに、ジャズに興味を持てば、あっという間に知識にアクセスできる。

好奇心旺盛な人は、ジャズに限らず、どんな情報にもアクセスができる。


でも、それは、アクセスしようと思った人だけが得られる特権であって、

日頃から何も考えない人との差が更に広がる。

記憶力の高い人、というか、情報処理能力の高い人は、

たくさんの情報が入ってきても上手く自分の中で整理ができるから、

Overloadせずに、どんどん成長できる。これがウェブ。



例えば、会計処理については細かいルールを覚えてなくても大丈夫だけど、

経理の知識をひと通り覚えたからこそ身につく

「経理的な物の捉え方」という感覚みたいなのは大事だと思う。

同じように、どの世界にもそういう感覚というのはあって、

「理系な考え方」「クラシック音楽の考え方」「ソムリエのワインの向き合い方」

といった、アプローチの方法がある。



ウェブのおかげで、かつてないほどに、多趣味に生きられる時代になってる。

異質な物のかけ合わせから、新しいアイデア、知見、世界が生まれるとすれば、

一つ一つの知識を身につける事の意義は相当高い気がする。

「クラシック音楽を捉える視点で、目の前のワインを考えてみる」とか。

という訳で、真面目に勉強するのは、とても良い事だ!

というのを今日の結論にしようかな。




2012年6月3日日曜日

自分の脳について、自分の脳で考える

今日読み終えたのはこちらの本:

単純な脳、複雑な「私」
単純な脳、複雑な「私」池谷裕二

朝日出版社 2009-05-08
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脳科学の最先端の情報を、高校生向けに噛み砕いて講義した物をまとめた本。

この本を読んだtake-awayは3つ。


①論理的になる時は、同時に謙虚でなければならない

人間の脳はかなり適当で、

客観的に物事をとらえている気がしていても、

実はかなり外部環境に左右されているし、錯覚も多々起こす。

サブリミナル効果なんかはその一例。

だから、Logical thinkingはとても大事だけど、

論理的に

「私はこう思う。なぜならば…」

なんてやって他人を説得する時は、

そこに、脳が受けるたくさんのバイアスやゆらぎなんかがある事を考慮すると、

かなり謙虚にならなければならない。

これが一つ目のLearningで、でもActionにつながるという意味で素晴らしい。


②生命は高度ではないかもしれないし、自分の意思なんか存在しないかもしれない

生命は複雑に見えるけれども、

実は単純なルールの集合体でしかないかもしれない。

でも、「創発」という仕組みを使えば、

比較的簡単なルールから、かなり複雑なアウトプットを生む事も可能。

確率論的な「ゆらぎ」があるから、

コンピューターで再現するのはほぼ不可能なのですが。

さらには、自分が体を動かそうという意思を伝達する0.5秒くらい前に、

脳は体を動かす準備をはじめているらしい。


自分は本当に、「自由な意思」に基づいて生きているのだろうか?

とても不思議な気分。

これは、世界観を構成する上で大事な、「へぇー」というLearning。


③自分の心について考えるのはほどほどにしよう

よく「自分ってどんな人間なんだろう?」って考える事が多い。

でも、実は「自分の心」について思いを巡らせてるのは、

自分の心そのもの。

だから、ラッセルのパラドックスのイメージで、限界が必ずある。

しかも、自分って内向的なのかな、って考えている時点では

「自分の心について、自分の心について考えている自分の心について、自分で考える」

というかなり複雑な事をやっている。

この入れ子構造はどこまでも続けられるけど、

人間のワーキングメモリは7-8つまでだから、すぐ限界が来ちゃうよね。

だから、自分の事を考えるのはもちろん大事だけど、

悩んだら、あまり考えすぎないようにする事も必要なんだな、って思った。

これが3つ目のLearning。


ついでに言うと、脳科学というのは究極の入れ子構造の学問で

「自分たちの脳について、自分たちの脳で考える」という作業をしているから、

本質的に矛盾を含んでいるのだそう。

ちょっと考えても複雑でよく分からないから、

「神秘的なもの」としてここ数年、注目を集めてるのかもね。


僕のような一般人には、

最先端の研究を読む時間も知識量もないのですが、

(いや、知識量のせいにしちゃいかんな。知識量を積み上げるために割ける時間が不足しているのだ。結局時間か…)

池谷先生は、それをとても平易に噛み砕いてくれている。

最先端の科学が、僕のようなビジネスパーソンの生活に活かされるには、

このような活動をしてくれる人がどうしても必要。

だから、研究者として忙しい中、こうやって一般人に知識をシェアしてくれる人はとてもありがたい。


というわけで、世間一般にLearningを共有した上で、

池谷先生含め、研究者にこういう活動にも意義がある事を「フィードバック」したい。

そんな思いで、今日のブログを書きました!