2010年8月8日日曜日

全てが偶然だとどうなる?

僕はいつも、人生に波があって、

自分は、それに乗って生きてるんだと思ってた。

でも、最近、人間が勝手に法則性を作りたがってるだけで、

世の中の全てが偶然なんじゃないか?

と、初対面の子に言われて、

新しい世界観に出会ったと共に、

ちょっと戸惑ってる。


僕が、ドイツに行く事になり、ドイツ語を勉強してるのも、

マラソンに出るために毎日平均で1時間は走ってるのも、

自分が活躍できる最高の舞台であるGEのFMPに内定をもらったのも、

大学生活で誇れる事の一つであるPCPの代表になったのも、

ワグネルという慶應を代表するサークルに入り、2年で辞めたのも、

数学の強みを活かしながら社会科学を学びたくて経済学部に入ったのも、

ぜ~んぶ偶然。


そう考えても、何も矛盾も生じない。

だから、そういう世界観を持っていたとしても、

特に人生において問題は無い。


そう考えたとしたら、

マラソン走るぞという精神力も、

一生懸命ドイツ語を学ぼうとする意欲も、

ぜ~んぶ流れ出てしまう。

「世の中偶然なんだ~!」

と叫びたくなった。

偶然なら、俺が頑張らなくてもいいじゃん、

運がある時はあるし、無い時は無い。


この問いはとても深遠で、

例えば経済学なんかの存在意義を問うてる。

世の中が全て偶然なら、

経済学なんかは全く役立たず。


計量経済学は、一応この部分を否定するためには有用。

偶然っぽければRが小さくなり、

恣意的っぽければRが大きくなり、

そこそこRが大きければ、偶然ではないと解釈しましょう、

という世界。


統計学における有意水準の設定っていうのは、

人間の神に対する挑戦で、

「世の中は偶然かどうか?」という神だけが知る真実に

Type I error と Type II errorの可能性を残しながらも迫ろうとしている。

こう書くと、統計学って格好いいな。(笑)

中学・高校の時の数学の先生も同じ事を行ってたけど、

その意味が今になってようやく分かった感じ。

この辺りの話、文系理系どちらにとっても有益で面白いはず)


「偶然」という物を扱う唯一の学問である統計学がそうなんだから、

結局世の中が偶然かどうかは分からない。

そして、それが「知り得ない事」である事が示されるはず。

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2011卒の就職活動が終わった学生として、

学生側から見た就職活動に対する意見などを述べた。

その時、僕自身は「抽象化力」について評価され、

とある企業の人事さんには、

「金森君みたいな人材をどうやったら取れるのか?」

みたいな話をされた。


その方曰く、抽象化力とは、

複数の事象に共通する部分を抜き出す能力、

なんだという。

数学用語だと「一般化」なんていうけど。


確かに、就職活動やってた時は、
  1. 自分の過去を振り返り、年表等を作る
  2. どんな時に楽しかったか・充実してたか等を整理する
  3. それを元に、一般的に自分がどういう特性を持っているかを考える。(抽象化)
  4. そこから、どんな職種・企業が自分に合ってるかを考える
というようなプロセスを踏んだ。

だけど、人生が全て偶然だと仮定すると、

この抽象化には意味がなくなる。

目の前で実現した各現象にたまたま共通したバイアスを自分の本質と考え、

それを元に就職先を決める。

とても危険なやり方だったのかもしれない。

どうなんだろう?


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ここまで書いたところで思った。

全てが偶然なら、つまり、

人生の充実度=定数+誤差項

なら、僕はどうすれば良いのだろう?

無駄に労力を費やすだけ損なので

自分に起こった事を思ったように処理していくのが得策かも。

義務でやる事はなるべくPassiveに、

楽しくてしょうがない物は気分がのるだけActiveに。

こういう事になると思う。


考えてみれば、自分の生き方って、

これにとてつもなく近い。

義務の部分をなるべく少なくし、

Activeに動きたい時はめちゃ動き、

そうでない時は小休止する。


ところで、この誤差項が正の自己相関をしてれば、

人生にはサイクルが生まれる。

それは、偶然のサイクル。

こう考えると、僕の人生が数学モデルで正当化できるかもしれない。

外的なショックが生じて、

誤差項が大幅に触れた瞬間、

誤差が事項相関してる関係で、

一定期間は片側に振れる。

Life=a+e_i

e_i=e_(i-1)+ε_i

僕の人生は、結局はaの周りから離れられないのかもしれない。

このaを変える方法はあるのだろうか?

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あと、2週間もしないうちに僕はヨーロッパへと旅立つ。

「留学の目的をしっかり持つ事」なんて大学からは言われる。

でも、そんな目的なんか無くても、

結局、僕はaの周りにいる。

そして、e_iの軌跡が、大学や親に報告する成果。

どんな事が起こるか分からないけど、

全てが偶然だと割り切って、

前に進みたいと思う。

ちょっとだけ、前に進みたいと思う力が強くなったかも。

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