経済学部ではない友達から、
「乗数効果って何?」
っていう質問が来ましたので、
わかりやすく答えようと思います。
まず、(財政政策の)乗数効果とは、
財政政策で1単位のお金を使った時に、
経済がよくなる度合いの事です。
10兆円の公共事業によって、
13兆円GDPが上がれば、
乗数効果は1.3という事です。
つまり、乗数が1.3となります。
さて、昨日話題になっていた(平均)消費性向というのは、
消費者が1単位の収入を得た時に、
どれだけそれを支出に回すか、
という度合いです。
100万円の収入があって、
80万円を消費して、
20万円を貯蓄に回したら、
消費性向は0.8です。
さて、昨日問題になっていた、
消費性向と乗数効果の関係について。
消費性向が0.8だったとして、
1兆円の道路を作る財政支出の経済効果を考えてみましょう。
まず、1兆円の支出を受け取る人たち(例えば建設業界)がいます。
その1兆円は、色々なところへ分配されます。
- 給料として、従業員の手元への渡った分は、80%が消費されます。
- 企業の利益は、株主等、消費者に還元され、その80%が消費されます。
- セメント等材料費の購入に充てられた部分は、取引会社の手元へ行きます。(その一部は給料として家計へ、一部は利益として家計へ、残りは別の取引会社へ行きます。それも結局は家計へたどりつきます。家計が受け取った分は80%消費されます。)
という訳で、
80%に当たる、8000憶円が支出に回る訳です。
この二次的に支出された8000憶円が、社会をかけめぐり、
その80%に当たる6400憶円が三次的に支出され、
その80%に当たる5120憶円が四次的に支出され・・・
となる訳です。
結局どれくらい効果があるかというと、
1兆+1兆×0.8+1兆×0.8×0.8+・・・=5兆円
となる訳です。
つまり、乗数は5。
数学が分かる人、消費性向がcならば、
乗数は1/(1-c)です。
それだけ。
数学でいう「極限」の考え方を使うけど、
高校3年生くらいの学力があれば、余裕でしょ?
経済学の基礎の基礎です。
分かりましたか?
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