2009年5月21日木曜日

経済成長率

色々なところでニュースになっていますが、


1-3月期の日本のGDPが15.2%減であると発表されました。

SNAの発表はこちら

よく見てみると、15.2%減というのは、

年率換算・季節調整済みの実質成長率の値。

実際には、季節調整済みで10-12月期から4%減、

前年同期で比較すると、9.7%減だった訳です。

日本の景気が悪い!と決め付けてはいけなくて、

冷静に統計表を眺めると、

寄与度では、
民間需要が-2.7%
公的需要が+0.1%
国外輸出が-4.2%
海外輸入が2.7%減(控除項目)

で、全部足すと4.1%減で、端数調整で4.0%という訳。

面白いのは、民間需要の減少分と、輸入の減少分が相殺しあってる事。

つまり、日本市場は、平均的に2.7%縮小している。

一方で、輸出産業は4.2%も損している。

日本が外需依存なのが、よく見えてきます。

ちなみに、SNA体系ですが、

「持ち家の帰属価値」とか「民間住宅」とかいう項目も入っているのですが、

学術的には、これらはGDPに入れるべき項目では無いのです。

これが、SNA体系に組み込まれるようになったのには、政治的な理由があるのですが・・・。

「家計最終消費支出」と「除く持ち家の帰属価値」を見る限り、

これらの変動は、他の項目よりも高い成長(低い衰退)である事が読み取れる。

という事は、この-4.0%には上方バイアスがある程度かかっていて、

少なくとも、もう0.3%-0.5%くらいは成長率が低いはず。

という事は、-15.2%というのは嘘で、

本当は-17%くらいが妥当なんじゃないだろうか?

いずれにしても、歴史的な下落水準ですね・・・。

こりゃ大変だ。

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