2005年の記事なのですが、読んでみると
しかし経済成長率は、労働者数の増減率と労働生産性の上昇率によって決まるので、労働力人口の減少は経済成長率にマイナスの影響を及ぼす。1人当たりの労働生産性が現状のまま推移するとすれば、GDP(国内総生産)は確実に縮小していくことになるはずだ。すでに日本の労働力人口(15~64歳の人口)は1998年から減り始めている。しかも今後はただ減っていくだけではない。出生数の減少により若年労働者は減りつつある。労働力人口はどんどん高齢化しながら減っていくことになる。
と書かれています。
確かに経済学的に間違った事は言っていないのですが、
「人口増加⇒GDPが縮小=悪」
のような印象を持たせるような議論がなされていますね。
これは、少なくとも経済学的には間違いです。
大切なのは、「一人当たりGDP」ですよね。
経済成長の理論の中で、最も一般的であるソローモデルによれば、
人口の減少は一人当たりGDPの上昇につながります。
なので、逆に生活水準が上がるので良い事であるという結論になります。
一方、人口の減少が問題になるのは、政治学的な観点。
国際機関での発言権が国の人口で規定されている場合は影響力が弱まるし、
国家防衛などの関係である程度の人口が望ましい場合がある。
でも、多くの記事ではこういう議論を避けて、
短絡的に「人口減少=悪」と結び付けている。
これは、許せませんね。
最後に、ソローモデルに則って分析すれば、
「日本が高齢化する⇒労働市場参加率が低下⇒一人当たりGDPの下落」
という議論はできます。
なので、「高齢化は悪」という議論はできるかもしれません。
これからの日本は、「人口減少+高齢化」がセットでやってきます。
はたして日本人の生活水準はどのように変化してゆくのでしょうか?
経済学的には、二つの影響のどちらが大きいかによります。
でも、そんな議論は新聞でも雑誌でも、聞いた事がありません。
日本では、「何となく悪そうだから悪い!」なんですかね。
経済評論家と称する人が、色々適当に説明しちゃうんだから、この国ってすごい。笑
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